知人のおひとりさまの日常を描写していきたいと思います。
おひとりさまって、やっぱり女性が多いのかな。
旦那さんが先になくなっちゃうということですね。
今回のおひとりさまは、けっこうご無沙汰で、会うのは10年ぶりぐらい
「いくつになったんですか?」
と聞くと、もう78とのこと。
「えーっ?」
というぐらいお若い。
逆にこっちが「年取ったな~」と言われて、
少しリアルにショックを受ける始末…
シャキシャキ動いている姿を見て、すごいね、と言うと
「歩くようにしてて、グランドゴルフやってんだよ!」
何それ。ゲートボールみたいなやつ?
と思って、聞くと、本物のゴルフみたいに何ホールもあって、けっこう歩くんだって。
じゃあ1日がかりじゃん!
と言うと、いや30メートルぐらいだから。だって。
ふーん。それで、ホールには穴も開いてなくて、ボールが通り過ぎちゃうんだそう。
それが面白いんだそうだ。
息子さんは近所に住んでいるのだが、何かあるとき以外は訪ねてこないそう。ちょうどいい距離感なのかもしれない。
「子供はまだできねぇのか?」
当方まだ子供がいないのである。まあ、もういいかな~と思っているのが本音なのだが、
「もう年だしさ~」
と言いかけてやめた。
なんて話していると、犬が急にワンワン吠え出した。
「散歩に連れてけって言ってるわ。」とのこと。
犬の散歩も結構な運動になる。
周囲はちょうど、あの「となりのトトロ」に出てきそうな田園風景。
「犬を連れてると、イノシシも逃げていくからいいよ」
親子連れのイノシシに出くわすことがあるんだって。
その時はあっちの家族が一目散に逃げだして、みんな川の中に飛び込んじゃって見えなくなったそう。
「向かってこなくてよかったね」
この辺では、小さめの個体でも、軽トラックを吹っ飛ばす力があるなんて言われてる。
少し外が薄暗くなってきた、犬の散歩にはいい時間だ。
そろそろおいとましようかな、と立ち上がってその場を辞すると
「今日はありがとうね」
「いや、こちらこそね」
ありがとう、だって。
こっちの都合で尋ねていったんですけどね。
また話をしに来ようと思った。
さて、
二人目のおひとりさまですが、
しわくちゃの笑顔と、開口一番の「どぉ~~も」がトレードマークなおばあちゃんです。
だんなさんがやっぱり先に逝ってしまってるんですね。
「おげんきですか~?」
っていうんだけど、なんかそそくさと準備しに奥へ行ってしまった。
ああ、お茶とお菓子を持ってきてくれた。
チャンとビニールに入っているところを見ると、準備していてくれたのかな。
「すみません、いいのに~」
まあ、上がって上がって、というので、ここでいいよ。
というと、
「ここ、電気が切れちゃってんのよ」
えっ、そうなの? 夕方で薄暗い中、見ると結構な高さがある。
リング型の蛍光灯が2つか…
この交換おばあちゃんできないでしょ! いや、イスに乗っても、腰曲がってるし届かないんじゃない? 危なっかしい画しか浮かばない。
「これ、換えてあげるよ~」
というのだが、いいよ、息子を呼ぶから~、
なんて言っている。
まあ…、ひとまず上がらせてもらおう。
ひとしきり挨拶まがいの会話をしつつ、電灯のことが気になりながら、
「買い物とかどうしてんの~?」
どうも、自転車で近くのスーパー「エ○ス」まで行っているようだ。
でも、う~んちょっと遠くない?
「そうなんだ~」
聞くと息子も忙しくてなかなか帰ってこないらしい。
「いや、だから、電気換えてあげるから!」
「電球のタマがないんだよ~」
いいよ、息子呼ぶから、というのだが…。
しばらくあそこの入り口付近は暗いままだったのだなと想像。
けっこう大変だよね、おひとりさまって。と思いながら。
でも、私が買ってきてあげて、つけてあげるまでやったら、却って恐縮させちゃうかな、などと思った。それは踏み込みすぎかもしれない。
バリアフリーとかもあるけど、天井が低いっていうのも必要要素なのか? とか家の構造についてしばらくイメージを膨らませていた。
そろそろ帰ろうかな。
うん、おそくなっちゃうしね。
で、
「どうもありがとうございました」って言う。
あっ、まただ。
我々の方は、電気を換えるだとか、目に見えるところを助けてあげたいって思ってしまうのだが、案外そんなのどうでもよくて、一緒に話をしたり、時間を過ごすことのほうが相手のためには良いのかもしれない。
なんてことを思いながら家路についた。