夫婦でどちらが長生きするかというと、だいたい女性の方が多いと思います。
そこから先は女性がおひとりさまになっていきますが、
夫の遺族年金について、4分の3もらえるなど、年金にまつわるルールを知っておかないと老後に思わぬ資金難に出くわしてしまうかもしれません。
年金については、女性はもともと金額が低い傾向にあります。
・若い頃、第3号(サラリーマンの妻)の被保険者だった。
・出産などの時期があった。
・夫が退職した時、妻として独自に年金を収める手続きが漏れていた
など、
男性が家計の主体を担っていた場合がありがちだからです。
そういうわけで、女性は年金額が低い傾向にあります。
それなのに、長生きするのは女性だったりするため、夫がいなくなったあと、少ない年金で長く生きなくてはならない、といった状況が生まれてしまう場合があります。
少しでも生活苦に陥らないために、夫婦からおひとりさまになる想定で
女性はいろいろと考えておきましょう。
個人的には、じつは私の母も、生活苦に陥りそうな第3号(サラリーマンの妻)のパターンに当てはまっていますので、いろいろと情報を伝えておかなきゃ、と思っているところです。
やってはいけないこと
まず、お金の面だけで言うと、女性・男性双方にとって一番ダメージが大きいのは、
・熟年離婚
だといわれます。
そもそも年金は夫婦で二人分もらうことで生活が成り立つ設計となっているので、単純に半分になると、
そこからそれぞれが家賃を払ったりすれば高くつきますし、水道光熱費なんかも二人まとめての方が安上がりなわけですので、一気に生活が苦しくなります。
ちょっと世知辛い考え方になりますが、どうせ女性の方が長生きする能力が高いので、夫が死ぬまで待つ、
という選択肢もお互いの生活にとってはアリなのかもしれません。
こうすれば、妻に遺族年金が入ることになります。
そうなったあとで注意したいのが、
・熟年再婚
です。
再婚してしまうと、もう遺族の地位を「失権」してしまうため、遺族年金はもらえなくなります。
内縁関係でも、事実上の結婚とみなされる場合がありますので注意が必要です。
ただそうはいっても、離婚も再婚も、お金の面だけで割り切れない感情の部分も大きいかもしれません。お金の面のデメリットを理解しつつ、自分の生き方を貫くという選択肢も、個人的にはもちろんアリだと思います。自分自身もいざ当事者になったら、利益の部分だけで行動できるかどうか? ちょっと心配だったりします。
遺族年金4分の3のよくあるカン違い
気を付けたいのが、夫の死後に今まで夫がもらっていた金額の4分の3がもらえる、という勘違いです。
まず基本的なルールですが、
遺族年金は、基本的に64歳までの話ということになっています。
65歳からは普通の年金をもらい始めるため、両方はもらえず、
どちらか一方(通常は高いほう)を選ぶことになります。普通の年金の方が高ければ、そちらをもらうことになり、遺族年金は支給停止ということになります。
通常の年金に遺族年金が上乗せされてくる、
というのもありがちなカン違いの一つですので気を付けましょう。
「一人一年金の原則」というものがあり、年金は一つしかもらえないということになっています。ちょっとガッカリですが、覚えておきましょう。
そして、金額について。
実際は4分の3より少ないので気を付けましょう、ということになります。
どうしてか?
老後に限定して考えた場合、もらえる遺族年金は、ほぼ、
遺族〈厚生〉年金の方になりますので、そちらに話を絞って考えていきます。
(なぜなら、遺族基礎年金は、18歳未満の子がいる場合に支給。)
全額×3/4 という計算ではないからです。
簡単に言うと遺族〈厚生〉年金は、2つの部分に分かれており、その片方に4分の3をかけた数字になるからです。
詳しくは、以下の2つの部分です
①の部分:報酬比例部分
②の部分:経過的加算部分
例えばですが、
厚生年金に40年加入していた場合。
だいたい①の部分は約120万円とする。
この場合の遺族厚生年金は
120 万円×3/4=90 万円。
思っていた4分の3より少ないということはこれが理由で起こります。
4分の3だと思っていたら、半分以下だったということになってしまうと、本当にガッカリですよね。軽く情報を聞きかじった状態だと勘違いしやすいポイントだと思いますので、覚えておきたい部分になります。
また、ちなみに、
妻が先に亡くなり、夫が遺族年金を受け取るケースもあるようです。ただ、制限があって、54歳以下だと、男は「自分で働きなさい」ということでもらえないみたいです。なかなかきびしいですね…。
その他の追加要素
また、夫と死別した時点で、妻である方が65歳未満の場合には、
・寡婦年金(か、死亡一時金)
・中高齢寡婦加算
65歳以上の場合は、
・経過的寡婦加算
に自分が当てはまっているかもしれません。
ただ、これらのルールは、調べてもパッと見で理解するのが結構難しかったりします。
年金事務所に、自分がこれらに当てはまっていないかどうか問い合わせをしてしまう方が早いかもしれません。
たとえば、私の母のケースでは、すでに65歳以上に達しているので、寡婦年金、中高齢寡婦加算は当てはまらなそうです。これらは、まだ通常の年金をもらっていない若い方の場合にこれらの給付がなされるということのようですね。ただ、経過的寡婦加算の方は当てはまりそうですので、教えてあげようと思います。ふつうこんなの知らないですよね。きっと母も知らないと思います。
一応くわしく説明すると、…
(読むのがめんどうな方は読み飛ばしてください。)
寡婦年金:
子供がいない、または子供が18歳以上の場合には遺族年金がもらえないため、この寡婦年金か死亡一時金との2択になることが多い。これも多いほうを選択することになる。一時金は1回のみ、寡婦年金は60~65歳の5年間。
中高齢寡婦加算:
まず、条件が2点あり
・死亡した夫の厚生年金加入期間が20 年以上あること
・残された妻の年齢が40~64歳であること。
65歳になると普通の年金が始まるので支給終了となってしまいます。
寡婦年金の条件から外れてしまった人を拾っていく制度ということになります。
経過的寡婦加算:
これも条件は2点あり
・妻が65歳以上であること。
・妻が昭和31年4/1以前生まれであること。
この制度が適用となった昭和61年4月に、すでに33歳以上になってしまっていた人は、以後、全額年金を払っても、中高齢寡婦加算の額より低くなってしまうことを救済していく制度ということのようです。
~(詳細説明、ここまで)~
まとめ
さて、まとめますと
女性は年金額がただでさえ少ない傾向があるので、
老後の生活資金に大きなダメージを受けないような行動を知っておきたいところです。
やってはいけないこと(あくまでお金の面で)
・熟年離婚、再婚
遺族年金がもらえる場合もカン違いに注意
4分の3の計算式は、全体から見てではなく、ある一部分の4分の3だということ。
その他追加要素
65歳未満の場合には、
・寡婦年金(か死亡一時金)
・中高齢寡婦加算
65歳以上の場合は、
・経過的寡婦加算
に自分が当てはまっているかどうか、年金事務所に問い合わせをしてみましょう。
とにかく
「自分は○○(いろんな制度名)に当てはまるかどうか教えてほしい」
と片っ端から聞いてみるのもいいかもしれません。
わからなくて当たり前。ダメもとで言ってみましょう。
ちなみに、
これら「寡婦」と名の付く加算は妻を亡くした男性はもらえません。これまた厳しい結果となっています。
ということでした。
これら制度は、素人にはなかなか理解が難しかったりしますが、
女性は男性より長生きするものと想定をして、いろいろな制度について、早めのうちから調べておいてみてはいかがでしょうか。