おひとりさまの独居はけっこう気ままで、家族がいたりするよりかえって良いと感じるケースも多いようです。
ただ、いろんな体の限界などが不可抗力として起こってくると
施設への入居へと移行し、手厚い介護を受ける必要も出てきます。
わかりやすいところでは
歩けなくなったり、寝たきりになってしまうことが挙げられるでしょう。
それ以外で着目したいのは
たとえば、認知症を発症してしまったらどうなるでしょう?
自分だけならいいですが、周囲にも迷惑をかけることになってくると、住み慣れた家を離れて、何らかの施設への入居も考えなくてはなりません。
ですが、認知症になってしまうと、周囲へ迷惑をかけていることにすら気づけなくなってくることもあり得ます。個人的にはここが一番怖いと思っています。
ですから、それ以前のどこかに独居の限界というものがありそうです。
おひとりさまがそれをどう決めて行ったらよいのか?
この判断力の限界について今回は考えていきたいと思います。
判断力の限界いろいろ
認知症にありがちな限界点にはどんなものがありそうでしょうか?
・お金の計算ができない
・火の始末
・徘徊
・過食・異食
・糞尿をまきちらす
・妄想、暴力、あばれる
・骨折など、痛みを感じていない(感じにくい)
などがあるようです。
一つずつ見ていきましょう
お金の計算や判断力の低下については
介護サービスの生活支援で何とかなりそうです。
できないことを助けてもらえば、それはそれで、気持ちよく暮らすことに支障はないでしょう。この段階は、まだ軽度だといえそうです。
火の始末は周囲への影響も大になる可能性があります。すべてIHにする、揚げ物はしないなど自分でルールを作って慣れておけば
ある程度は大丈夫そうです。
徘徊については、いろいろと周囲へ迷惑はかけそうですし、自分の生命の危機も招きかねません。
過食、異物を食べてしまう、というのは程度にもよりますが
周囲への迷惑の度合いは小さそうです。
自分の健康を害する、という点があまりにも重大でなければ
ひとり暮らしを続けるという選択はまだ可能そうです。
糞尿をまき散らす、については、持ち家であれば、他人に迷惑をかけることはない、と言ってしまうことも可能でしょうが、介護に関わる人は大変になるでしょう。
賃貸の場合は、そこに住み続けることは難しいでしょう。次に住む人に、においや汚れなどの影響を与えてしまいますので、家主からも何か言われてしまいそうです。
妄想、暴力、暴れるなどについては
どういう妄想のパターンや傾向かで違ってくるとは思いますが
他人へ危害を加えるようなことになると、独居で放っておくことはできなくなってくるでしょう。
骨折など痛みを感じていない(感じにくい)、については
他人への迷惑はかけませんが、自分の健康への危害が大きいため
少なくとも治療中は独居で放っておくことはできなそうです。
これについては、認知症になってしまった祖母を見ていた私の体験なのですが、骨が折れているのに施設内を動き回ってしまうということが実際にありました。本人がいいなら別にいいのですが、その時は体ばっかりが元気なのも困りものだと思いました。
限界点の設定 ポイント2点
さて、
そのほかにもいろいろなケースはありそうですが、
共通して考えたいポイントは2点です。
迷惑の範囲が
・自分だけか、他人をも巻き込むか、
・影響が軽度か、重大か
に鑑みて、独居で放っておけるのかどうかを決めてはいかがでしょうか。
組み合わせは大きく4通りの考え方になります。
- 自分だけ×軽度 → 独居で放っておける。
- 自分だけ×重度 → ケースに応じて考える。
- 他人へも迷惑×重度 → 独居は取りやめ、何らかの対策に入る。
- 他人へも迷惑×軽度 → ケースに応じて考える。
など、整理ができてくると思います。
もはや、自分の判断能力がないとしたら
周囲への迷惑などどうでもいいという考え方もありますが
できることなら、元気なうちの良識に従っておきたいというのが人情ではないでしょうか。
個人的には、
他人を巻き込んで迷惑をかけてしまうことを考えると、判断能力がないとはいえ、後味が悪いような感じがします。
判断能力がなくとも、立つ鳥跡を濁さず、という生きかたをしたい
というのは欲張りすぎかもしれませんが、ついつい思ってしまいます。
そういった自分の良識・美意識に従って、独居で放っておいてよい範囲を
事前に決めておくことはできます。
特におひとりさまにとっては、決めておいた独居の限界点を超えてしまったとき
その幕引きは他人にしてもらうことになるでしょう。
他人に介在してもらうこと
あとは、どこで限界点の対応を発動するかを明確にしておき
希望する対処を実行してもらうよう、頼んでおける制度があります。
あくまでも元気なうちにそれをしておくことが必要になります。
それが任意後見人という仕組みで、おひとりさまの強い味方になりそうです。
これは、行政書士の方などのプロの資格者に
生活上の判断能力とその実行を委託することです。
実行内容は事前の契約通りに肩代わりしてもらうことになります。
それと、独居の限界点を察知したらその時点で契約を発動するために
その前から見守りサービスをセットで契約しておくことも必要でしょう。
見守りサービス×任意後見人のセットで身構えておくことになります。
認知症への「予防」的な準備は無いと考えておくのが賢明です。
認知症の原因はよくわかっていないからです。
誰でも、いつなってもおかしくない可能性があるということで
それを思うとかなり不安ですが、打つ手がないわけではありません。
それは「なった後のこと」への準備に集中することです。
その準備の一つが「任意後見人」である、ということです。
まとめ
さて、まとめますと
おひとりさまの独居の限界は、迷惑の範囲と重大さの観点で、
・自分だけか、他人をも巻き込むか、
・影響が軽度か、重大か
の2点で、自分を独居で放っておけるのかどうか、限界点を事前に決める。
決めておいた独居の限界点を超えてしまうことも想定し、プロの手による
・見守りサービス×任意後見人のセットで身構えておく
認知症への準備はすべて「なった後のこと」への準備に集中する。
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