「没イチ」という言葉をご存知でしょうか?
老後、夫や妻に先立たれてしまった状態を表す言葉で、「バツイチ」ならぬ、「没イチ」ということになります。
小谷みどりさんという方が提唱した言葉で、終活の中に位置づけられるライフイベントの一つということができそうです。
特に女性の場合、平均寿命が男性より長いことから、女性がそうなってしまうことが多いのですが、はからずも男性が没イチになってしまうことも当然あり得ることで、その場合には、料理や家事ができないということも多く、影響は大きいようです。
また、男女ともに、離別の悲しみの期間から立ち直りを経ることに、少々の期間がかかることが当然としても、立ち直った後も引きこもりの傾向が続いてしまうことで、孤立化が進んでしまい、認知症や介護のリスクをだんだんと抱えていくというパターンになってしまうようです。
小谷みどりさんいわく、「Dead or 没イチ」
ということのようなのですが、
自分が死ぬか、相手に先立たれるか、というどっちかに必ずなってしまう
ということですよね。
(まあ当然といえば当然そうなのですが…)
どっちがいい、というのはひとまず置いておくとして
準備が必要なのはどっちでしょうか?
自分が死んじゃった場合は、特にどうしようもないわけですので、
相手に先立たれた場合、
のほうを準備としてイメージしておくことは、一つの準備と言えそうです。
今回はそれを具体的に考えていきたいと思います。
避けるべきこと
ありがちなのが孤立化と、そこから生まれてくるリスクのようです。
・引きこもりからの運動能力低下~寝たきりへの緩やかな移行リスク
・孤立化からの認知症リスク
・何かあったときに頼る人がいない人間関係のリスク
・介護サービスを受ける場合や、施設入居時の保証人の不在、認知症に備えた後見人の契約などおひとりさま特有のリスク
などがあげられます。
自力で避けられるものと、そうでないものとありますが、特に準備が必要なのが後者で、つまるところ、この後者は終活と言われる準備になってきます。
配偶者がいざなくなってから終活というと、やはり精神的な落ち込みも一緒に加わってくることもありますし、年齢が進んでからいろいろと知らないことを調べるというのもエネルギーが要ります。また、高齢であるほど、何らかの病気やハンディを抱えてしまっているかもしれません。
できれば、健康なうちに、また配偶者が生きているうちに、一緒に相談しておくと、お互いに安心なような気がしますが、いかがでしょうか?
「どっちが先に死んでも恨みっこなし」というスタンスで、生前から2人で準備を進めておくというのはアリではないかと思います。
対策は!? 3点
ここでは3点ほど紹介していきたいと思います。
よく言われることは、外出する機会が減ってしまいがちだということです。
ですから、身体が健康であれば、まずは外出する機会・交友関係づくりについて、長期的・早期から取り組むことが良いように思われます。
「没イチ」になってしまってからでも、没イチサークルのような、同じ境遇の方々の集まるコミュニティであれば、境遇も近く、打ち解けるのにハードルは低そうです。
自然と、おひとりさまがメンバーの多くを占めるため、終活の情報などについて教わることもできそうですし、助け合う関係づくりも構築しやすいのではないでしょうか。
上記は一例ですが、そういうものを事前に調べておき、準備をしておくことはできそうです。
また、
男性であれば身の回りの家事は最低限こなせるような訓練が必要な方もいるかもしれません。
これも時間と根気がいることかもしれませんが、引退後なら時間もできてくると思いますので、そういった練習に時間を当てておくということも自立のためには必要かもしれません。奥さんも助かります。
(最初はちょっと嫌がられるかもしれませんが…。逆に散らかっちゃったりなど。)
また、おひとりさまになった場合、家が広すぎる(家賃などコストがかかる)だとか、病気があるなどの場合は、住み替えや施設への入居など、住環境の変更なども出てくるかもしれません。
これも離別のあと一人でやることはかなりのエネルギーが要りそうなことが想定できますので、早めから準備をしておいたほうが良いことの一つです。
夫婦の思い出が詰まったところを離れるのは、離別後の自分だったら決めかねるかもしれませんが、事前に住み替えのプランを立てておけば、何とか気持ちの切り替えもできそうな気がします。
まとめ
さて、まとめますと
「バツイチ」ならぬ、「没イチ」という言葉がある。
相手に先立たれるということはすべての人に起こる可能性のあることであり、自分が先に死んでしまう場合よりも、むしろ生き残るリスクというものもある。
特に孤立化から派生する、
・引きこもりからの運動能力低下~寝たきりへの緩やかな移行リスク
・孤立化からの認知症リスク
・何かあったときに頼る人がいない人間関係のリスク
・介護サービスを受ける場合や、施設入居時の保証人の不在、認知症に備えた後見人の契約などおひとりさま特有のリスク
などがあげられます。
離別の精神的なダメージを受けた後で、様々な環境変化や調べ物をするのはエネルギーが要りそうなことが想定されるため、生前から、または早期からの準備をして対策をしておきたい。
具体的には、以下3点
・交友関係、外出の機会を作る(例:「没イチ」サークルなど)
・自立できる家事能力
・住み替えが必要であれば、プランが必要
などの対策などが考えられる。
ということでした。
夫婦二人で、こういったことも話題にでき、良い関係を築きながら、
この高齢化社会を「どっちが死んでもお互い様」といえるような準備ができたらよいと思いますが、いかがでしょうか。
PS.
ちなみに、
没イチになった後の再婚ニーズについて調べてみたところ、
いろいろなデータはありますが、2~3割の方が、再婚を希望しているということです。
けっこう少ないですよね、
でも、うなずける結果であるとも思えます。
というのも、再婚にあたっての問題点や、心配点として
・元の配偶者の遺族年金がもらえていた場合は、もらえなくなる
・相続の問題があって、子供の反対にあう
・女性の場合)家事や炊事など、男性の面倒を見る、的なのはもうイヤだ
などいろいろなことがあるようです。
ただ、完全なおひとりさまだったり、遺産がない、または少ないという方は比較的問題は少ないかもしれませんが、
そもそも、婚姻をすることで、老後はあまり制度的なメリットがないということもあり、事実婚を選択するという方も多いようです。
個人的にも思うのは、フリーというか、アバウトな感じで事実婚というのが気楽でいいなと思ったりします。
寂しいという感情を埋めることや、幸せを求めることにフォーカスするならば、事実婚の方がいろいろとややこしい問題を抱えずに済むのかなと思うからです。
ただ、
事実婚の場合に起こりそうな問題として、他人であり続けることで、
例えば、医療行為の同意人になりにくい、など日常での不便が起こったりします。
また、財産というか日常の生活費をどこから捻出しているのかについても、親族から文句が出る可能性もあります。
そんな場合には、
・個人対個人として、契約をむすぶ
「老後のパートナー契約」
という手段があるようです。
・医療行為の同意であったり、
・財産についても「生きている間は共有」
など、
周囲にも配慮しながらの契約ができるようです。後のトラブルを考えた場合、公正証書などの形式で整えるやり方を取ると安心です。
このジャンルを得意とする弁護士さんもいるようですので、
探してみてはいかがでしょうか?