仕事で、認知症のおじいちゃんに土地を借りる、という場面に行きあたり、終活の知識が役立ったことがあります。
その時はたまたま、農地を借りるということになったのですが、
持ち主の方は、
(→だとその時は思っていた)
「どうせ、俺は使わねェからいいよ~」
という話だったので、スムーズに進むのだろうな、と思っていたが甘かった…
ちょっとめんどくさいのは、農地の貸し借りというのは、市役所を通さなきゃいけないという特殊事情があること。
まあ、でも市役所に行けばいっか、ということなので、行きました。
「すでに借りられている方がいます」
えっ、なにそれ。
「えー? じゃ、持ち主の方に聞いてみます。」
役所の担当の方の話によると、お父さんから息子さんに貸していることになっている。ということで、いったんそれを解約する手続きが必要。
ああ、昔よく見たあのおじいちゃんね。あの人が息子さんに貸しているということになっているのかな。
もうおじいちゃんはいないし、息子さんにもう一回話を聞いてみるか。ということで、電話。
「何度もすみません、おじいちゃんから息子さんという契約がまだ生きてるみたいで~」
「あー、そうなの? うん、そのままになっちゃってるかもね。なんかよくわかんないけど、俺のハンコでもなんでもよければ押すよ?」
また、役所。
「おじいちゃんは亡くなっているので、息子さんとの契約でいいですか?」
「えっ…? 持ち主の方はご健在みたいなのですが…」
「何かのまちがいじゃないんですか?」
「一応ご本人に確認してもらってもいいですか?」
うーん、なんだろ。こんがらがってきたな。
と思っていた矢先、オンラインで注文していた土地の登記簿(全部事項証明書)が届く。
所有者の欄を見る。
ん? 誰これ。これがおじいちゃんの下の名前か…。名義がそのままになっているってことも結構あるしな。まあ、ご本人に相談だな。
その日は終了。
さて、次の日
「おじいちゃんの名義がそのままになっていて、もう亡くなっているんですよね?」
「いや、じいさまは生きてるよぉ」
「うわっ、失礼しました~!?」
ちょっとやばかった―(泣)
「でも軽い認知症でよ~、施設に入ってんだ。で、俺もムコだし妻も亡くなっているから、土地のことは義理の姉さんが〈後見人〉っての? やってんだよ。」
ムムッ! 「後見人」キター!
「そしたら、どうすんのかちょっとわかりやすく教えてくんねェかな。姉に説明すんのに、よくわかんねェからさ」
なるほど後見人ね。ここは私の得意分野!
ちょっと深呼吸をし、説明を頭の中で構築すること0.5秒ほど…
(義理のお姉さんということで、なんか気を使っているのかな、に配慮しつつ)
「わかりました。おじいちゃんの意思表示が必要です。今回は後見人のお義姉さんが代わりにそれをすることになります。おじいちゃんと息子さんの契約の解除に同意する旨、お義姉さんの意思表示をいただきたいんです。」
「ああそう。じゃ俺が行って、同意? ハンコかなんか要んだろ? もらってくるわ~」
「よろしくお願いします~」
ふう~…。
いろいろあったけど、
何がいつ役立つかってわからないものだなー とつくづく感慨です。